【WEST】 エレコム神戸ファイニーズvsオール三菱ライオンズ 試合レポート
’16.10.02
オール三菱が逆転勝ち。春から目指したアップセット完遂
第4節以降で、東西ディビジョンの枠組みを超えて、さらにSUPER9とBATTLE9をクロスした初めての戦いとなるエレコム神戸ファイニーズ(WEST)とオール三菱ライオンズ(EAST)の試合。
「SUPER9に初勝利するため、この試合に照準を絞って春から準備してきた」(林ヘッドコーチ)というオール三菱が激しく食いさがり、最後まで大接戦が繰り広げられた。
エレコム神戸は最初の攻撃で敵陣25ヤードまで攻め込むも、42ヤードのFGをK#11糟谷が失敗し、先制のチャンスを逃す。
しかし続く敵陣48ヤードからの攻撃。QB糟谷からWR#84常包へのパス、RB#33長谷、#20中島のランなどで敵陣26ヤードへと前進。さらにQB糟谷からWR常包へのパス、RB長谷のドロープレーでゴール前3ヤードへ詰め寄ると、QB糟谷からWR#81酒本へのTDパスが決まり、エレコム神戸が7点を先制した。
「先制点を奪って、このまま波に乗ってと思ったが」(エレコム神戸・狩野ヘッドコーチ)。エレコム神戸は次の攻撃でも、自陣26ヤードからQB糟谷がWR常包へ40ヤードの縦パスを決め、敵陣34ヤードと攻め込むが、そこから決め手に欠き、得点を奪えない。
次のシリーズでも、敵陣44ヤードまで攻め込むものの、QB糟谷がサックされボールをファンブル。オール三菱に、敵陣35ヤードからの攻撃権をプレゼントしてしまう。
ここまで4回の攻撃で、ダウン更新も奪えていないオール三菱だったが、今度はQB#15谷口からWR#19吉田へのパスが決まってダウン更新。ゴール前6ヤードとし、ここからエンドゾーン右隅に走りこむ吉田へのパスが決まりTD。初めて奪ったファーストダウンを得点に結びつけた。
エレコム神戸は前半終了間際にも、敵陣33ヤードまで攻め込んだが、残り時間が足らず。50ヤードのFGトライは、K#13高井が失敗。再三のチャンスをことごとく逃し、前半を7-7の同点で折り返した。
後半もエレコム神戸の圧倒ムードは健在。自陣28ヤードからQB糟谷、途中交代したQB#3木下のランなどで敵陣34ヤードまで攻め込む。しかしQB木下がエンドゾーンへ向け投じたパスを、オール三菱のDB#21島川にインターセプトされてしまう。
一方のオール三菱。3Q終了間際から始まった自陣38ヤードからの攻撃。RB#33鈴木、QB谷口のラン、QB谷口からWR#12若林へのパスも決まり、敵陣37ヤード付近まで前進。
ここからRB#28萩原のラン、TE#85祖父江へのパス、QB谷口も自ら持って走りゴール前2ヤード。この逆転のチャンスに、RB萩原が、右オフタックル付近に勢いよく飛び込んでTD。14-7とオール三菱が勝ち越しに成功する。
流れを掴んだオール三菱。エレコム神戸の攻撃でQB糟谷が投じたパスを、LB#23長田がインターセプト。
敵陣27ヤードから攻撃権を得ると、RB鈴木のラン、TE祖父江へのパス、RB萩原、小島、谷口らのランで小刻みに前進すると、最後はK#41谷澤が19ヤードのFGを成功させ、17-7とさらにリードを広げた。
まさかの展開となったエレコム神戸が、ここにきてようやく本領を発揮。
自陣29ヤードから、QB糟谷がWR#80南本、和田、RB稲毛、WR#87高尾への連続パスをテンポよく決めると、RB長谷の中央へのランでゴール前2ヤード。ここでQB糟谷からWR常包へのTDパスがようやく決まり、14-17と追いあげる。
しかし時すでに遅し。その直後のオンサイドキックは失敗。
試合残り時間1分19秒。エレコム神戸の自陣27ヤードからの攻撃も、敵陣31ヤードまで攻め込んだが、望みをつなぐパスを失敗。結局17-14で、オール三菱の嬉しいアップセットとなった。
オール三菱の林ヘッドコーチは「エレコム神戸の武田ディフェンスコーディネーターとは3年ほど一緒にしていたので、どのような守備を繰り広げてくるか、プランを立てて挑んだ。上位チームに勝てたことは大きな自信になると思う」と、納得の表情。
「残り2試合、気を抜かず、ワイルドカードに出るためにしっかり戦っていきたい」と気を引き締め直す。
獲得ヤードでは378ヤードと、相手の倍以上稼いだにもかかわらず敗れたエレコム神戸。狩野ヘッドコーチは「オフェンスは攻めきれないこと、ディフェンスはズルズル進まれてしまうこと、このいずれも第4節が終わっても修正できていない」と暗い表情。
「富士通、オービックと強豪との対戦が続くが、チャレンジャーの気持ちをもって、色々と仕掛けていきたい」と話していた。